OMソーラーのしくみ
OMソーラーは、特別な機械装置を用いずに、屋根や開口部、床など、建物そのものの建築的工夫によって太陽エネルギーを利用する「パッシブ・ソーラーシステム」です。建築家・奥村昭雄(東京芸術大学名誉教授)が考案したこのシステムは、「太陽の熱」と「新鮮な外気(空気)」を使う、実にシンプルなソーラーシステムです。
OMソーラーでは屋根面そのものが集熱に利用されます。軒下から取り入れられた空気を、屋根に降り注ぐ太陽の熱で温め、その空気を、床暖房やお湯採りに使うのです。また、夏の昼の排気や夜の涼風取り込み、さらには、新鮮な外気の流入による室内・床下における換気効果など、OMソーラーは、四季を通して活用できる「多機能ソーラー」です。
集熱と熱移送 温めるのは空気です
軒先から入った空気は、太陽の熱で屋根が温められると上昇します。
集熱空気層を通って温められた空気は、屋根の上部に設置されたガラス付き集熱面でさらに温度を上げて、棟ダクトに集められます。
集熱された空気は、OMハンドリングボックス(小型のファンと給湯コイルが入った機械箱)から立下りダクトを通り、床下へと送られます。
蓄熱 床下コンクリートに熱を貯える
立ち下りダクトを通して送られてきた温かい空気は、床下の空気層をゆっくりと流れ、蓄熱コンクリートを温めながら、適温の微風となって、室内へと流れ出ます。
太陽が沈んだ後、蓄熱コンクリートからの放熱がゆっくりと始まり、床暖房をします。
つまり、日中に太陽の熱を床下に貯めておき、その熱を夕方から、床暖房に使おうというわけです。
お湯採り 太陽の熱を使ってお湯を採る
お湯をたっぷり採れるのも、OMソーラーの嬉しい特徴です。
そのしくみは、熱い空気がハンドリングボックスを通過する時に、不凍液を循環させて温めます。
この湯水を給湯タンクの熱交換器に流し、それで熱いお湯を採るのです。お湯採りの性能には地域差がありますが、春から秋にかけて、約30~50℃のお湯を採ることができます。
モード 冬と夏、昼と夜のモードの転換
OMソーラーは、自然を閉ざす方向ではなく、自然と親しみ、自然に働きかけ、それを生かすパッシブ・ソーラーシステムです。
冬と夏、昼と夜のモードの転換は、変化する自然に応答しながら、よりよい暮らしをつくり出す工夫と言えます。
そして、そのコントロールを担っているのは、OMソーラー唯一のメカニック部分である、ハンドリングボックスです。
冬の昼間モード |
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屋根で太陽熱を取り込み、コンクリートに蓄熱して、床暖房します。 |
夏の昼間モード |
夏の昼は、カンカンに熱くなった屋根の熱気をお湯を採った後に排気します。 |
夏の夜モード |
さらに詳細はOMソーラー協会サイトをご覧ください。
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